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柏の葉には街の形を変えられる可能性がある。
人が集まってきて議論する中で、
夢が広がり、良い循環が生まれる
柏の葉は若い街であり、エネルギーを持った人たちが集まって、産学官が連携して、他ではできないことが可能であるところに魅力がある、との議論が進んだ柏の葉ディスカッション。循環型社会を目指すスマートシティのモデルとして、高い可能性を秘めていることが確認されました。
東京大学工学系研究科教授
国際連合大学上級副学長
沖大幹氏
東京大学工学部卒業、博士(工学、1993年、東京大学)、気象予報士。東京大学生産技術研究所助教授、文部科学省大学共同利用機関・総合地球環境学研究所助教授などを経て、2006年東京大学教授。2016年10月より国際連合大学上級副学長、国際連合事務次長補も務める。地球規模の水文学および世界の水資源の持続可能性を研究。気候変動に関わる政府間パネル(IPCC)第5次報告書統括執筆責任者、国土審議会委員ほかを務める。
株式会社アルガルバイオ 代表取締役社長 竹下毅氏
東京大学大学院新領域創成科学研究科博士課程修了、博士(生命科学)取得。同先端生命科学専攻特任研究員を経て、2018年3月に株式会社アルガルバイオを創業。
ドローンワークス株式会社 代表取締役 今村博宣氏
1983年ソード株式会社にてハードウェア開発に従事。87年半導体ベンチャーにてGPUの開発に従事。89年にハフトテクノロジー株式会社設立。ワークステーション、デジタル放送設備、デジタル家電、スマートグラス、音楽配信システムなどを開発。2015年にドローンワークス株式会社を創業。
ヒラソル・エナジー株式会社 代表取締役 李旻(りみん)氏
上海・復旦大学卒業。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻。ソニー勤務を経て、東京大学産学連携本部(現・産学協創推進本部)でインキュベーション支援に携わる。2017年にヒラソル・エナジー株式会社を創業。
藻類で地球の未来に貢献する
音楽家の小林武史さんと、東京大学の沖大幹さんのクローストークに続いて開催された柏の葉ディスカッションでは、沖さんに加え、柏の葉に関係する3人のベンチャー企業の経営者、アルガルバイオの竹下毅社長、ドローンワークスの今村博宣さん、ヒラソル・エナジーの李旻さんが加わり、「EMPOWER EARTH.」をテーマに議論が行われました。司会進行は、引き続き、医療ジャーナリスト/キャスターの森まどかさんが担当し、まず3人の経営者が事業内容を説明しました。
竹下さん「会社のミッションですが、藻類の研究開発で地球の未来に貢献する、研究開発すなわちサイエンスが地球の未来に貢献できるということを示しています。私たちが解決しようとしている社会課題ですが、キーワードとして人生100年時代だということで、健康志向の高まりというものがあるのではないか。奇しくもコロナのこともあって、人々の健康ということについて、改めて見直さなければならない時期が来ていると思います。
そして、今日のテーマにもなるのかなと思いますが、食料危機ですとか、地球温暖化であるとか、そうした点。食料危機に関しては、よりサステナブルな食料の供給、自給が必要になるだろう。これらを併せて、循環型社会の確立を目指していかなければならない。その中で弊社、あるいは藻類が担うことができる部分があるのではないかと、考えています」