高精度の抗体作製技術を活用して「不可能」とされた領域を切り拓く 目標は世界レベルの製薬企業

株式会社オーダーメードメディカルリサーチ

2020年8月13日、株式会社オーダーメードメディカルリサーチは新型コロナウイルス感染症の抗体検査システム開発に関する記者会見を行い、大きな話題を呼びました。世界がパンデミックの脅威に翻弄される中、代表取締役CEOの村上康文さんは「オーダーメードメディカルリサーチ独自の抗体作製技術『LIMAXYSTM』を用いれば、このウイルスの特効薬を作るのは不可能ではない」と、開発に真摯に取り組み、実用化までのロードマップを描いています。従来の技術では難しかった抗体医薬の作製を可能にする「LIMAXYSTM」とはどのような技術か、そしてこの技術が医療にいかなる可能性をもたらすかを聞きました。

1月にパンデミックを予測、検査方法開発に着手

 2020年1月、株式会社オーダーメードメディカルリサーチ(以下、OMR)は新型コロナウイルス感染症のパンデミックを予測し、抗体検査システムの開発に着手しました。OMRには、2016年に確立した革新的な抗体作成技術「LIMAXYS(リマクシス)TM」があります。この技術を活用すれば新型コロナウイルス感染症に対して迅速かつ大規模な検査システムが開発できると、OMR代表取締役CEOの村上康文さんは考えました。

 村上さんにはかつて、インフルエンザ診断用抗体を開発した経験があります。このインフルエンザ抗体は現在、村上さんが運営していた株式会社バイオマトリックス研究所で開発され、世界シェア60%、国内シェア80%を占めています。この実績と技術力をベースに、村上さんは新型コロナウイルス感染症の抗体検査システムの開発にいち早く乗り出しました。

2020年8月13日に東京・千代田区で行われた記者会見で村上さんは、新型コロナウイルスの抗体検査システム開発に至った経緯や検査のコンセプトを解説。このニュースを多くのマスメディアが取り上げた

敵の姿さえ見えれば、特効薬は作れる

 記者会見で村上さんは、新型コロナウイルス感染症に対する3つの取り組みを発表しています。その1つが、大きな話題となった「抗体検査システム」の開発。2つ目は、PCR検査に代わる「抗原検査システム」の開発。3つ目が「特効薬の実用化」です。特効薬を作ることが、村上さんの当初からの目的でした。

株式会社オーダーメードメディカルリサーチ 代表取締役CEO 村上康文さん

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