理念は『藻類の研究開発で、地球の未来に貢献する』、藻類を基幹産業にしたい!

株式会社アルガルバイオ

株式会社アルガルバイオ代表取締役社長 竹下毅さん。藻類を基幹産業にしていきたいと、夢を語ります

クロレラやスピルリナに代表される微細藻類は、医薬品や機能性食品、飼料・肥料、燃料など、幅広い分野での活用が期待され、持続可能性の高い資源です。しかし、培養の難しさも相まって、数十万あるといわれる種類のうち、実際に商業ベースで活用されているのは、わずか30種類ほど。そうした中、アルガルバイオは微細藻類3000株のライブラリーをもとに、微細藻類を対象としたコンサルティング、受託生産、市場開発を行っています。社長の竹下毅さんは、同社独自のライブラリーを生かした研究開発と生産技術の磨き上げで、藻類を基幹産業にまで持っていきたいと、意気込みを語ります。

3000株のライブラリーをもとに研究開発

 私たちが藻類という言葉を聞いたとき、すぐに頭に浮かんでくるのは、ワカメやノリ、昆布などの海藻です。これらは大型藻類と呼ばれています。藻類には、もう一つ、顕微鏡でしか見えないような小さな藻類のグループがあって、微細藻類と呼ばれています。微細藻類の中で比較的よく名前を目にするものに、クロレラやスピルリナなどがあります。

 アルガルバイオは微細藻類を対象としたコンサルティング、受託生産、市場開発を行っている企業です。

 代表取締役社長の竹下毅さんは、微細藻類の研究はドイツでは第一次世界大戦の後から始まっており、100年ほどの歴史があると教えてくれます。微細藻類の応用範囲は、薬品、機能性食品、食品、飼料、肥料、燃料など多岐にわたり、1970年代のオイルショックのときに起こった「バイオ燃料を藻類で」という動きなど、これまでに何度か微細藻類の大きなブームがありました。

 その後も藻類に注目が集まる状況が続いていますが、事業化にはいろいろな課題をクリアする必要があります。まず、生産技術がハードルとなります。

 藻類を生産する際、これまでは開放型のオープンポンドを用いたシステムが主流でした。構造がシンプルで、初期投資が比較的少なくて済むためです。しかし、屋外に設置されているため虫が入ったり、細菌が入ったり、鳥の排泄物が入ったり、という状況で藻類を育てなければならない欠点がありました。

 次のステップとして、閉鎖型のシステムがあります。LEDなどの人工光源を利用した植物工場のような環境で、微細藻類の培養を行う方式です。こちらは、開放型に比べてコストがかさむという欠点があります。

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