理念は『藻類の研究開発で、地球の未来に貢献する』、藻類を基幹産業にしたい!

顧客のニーズに合わせてカスタマイズできる

「実際に今、ハンドリングしているのは、数十種類くらいです。ただ、3000株の候補があるので、その中からお客さまのニーズに合うもの、必要とされるものを選んでくることができます。そこにわれわれ独自の知見があります。さらに株自体に改良を重ね、育種します」と竹下社長は説明します。

 例えば、同社に相談に来た企業には質問を繰り返し、ニーズや希望を明確にして、それに応じた藻類を選び、事業テーマや研究内容を決めます。

「海水でやるか、淡水でやるか。抽出したいのは、油なのか、タンパク質なのか、機能性成分なのか。抽出したいのが機能性成分であれば、実現可能な機能はこれだけありますと説明し、その中でどの機能をやりたいかを選んでもらいます。そんな感じで分けていくと、この藻類を、この事業テーマでやりましょう、そのためにはこの研究が必要です、というふうに決まってきます」

 竹下社長は会社設立以前から、既に200社以上と話をしています。その中には、国内だけではなく、海外の企業も含まれています。相手企業の業種は大きく分けると、食品・機能性食品、化粧品・化学品、環境エネルギー分野の、3つのカテゴリーに分類できると言います。

 同社の扱っている微細藻類のメインがクロレラということもあり、食品分野の企業からの打診が一番多いそうです。

 次が化粧品・化学品の分野です。このカテゴリーは安全性試験が必要などのハードルはあるものの、やはり植物由来、天然由来の成分で新しいものを開発したいというニーズが強いようです。

 そして、環境エネルギー分野。バイオ燃料を作りたいという話から、食品工場の排水で藻類を生産できないかという話まで、この分野は本当にいろいろな話が持ち込まれる、と竹下社長は微笑みます。

 黄緑色野菜やトマトに含まれるβ-カロテンやリコピンなどのカロテン類は、活性酸素の発生を抑え、除去する作用があるため、動脈硬化予防などの効果があるといわれています。培養条件を最適化することで、藻類からカロテノイドなどの機能性成分を提供できる技術を持っているのも、同社の強みです。遺伝子組み換え技術に対して消費者の懸念が拭えない中で、藻類を活用して機能性成分を生成できることは、機能性食品を作っているメーカーにとっては魅力的でしょう。

従来のクロレラの課題を克服した、7色の次世代クロレラを開発しました