日本発の最先端ナノ技術で世界の医療を変える! 患者・株主の期待に応えるために邁進

ナノキャリア株式会社

柏の葉スマートシティを拠点とするベンチャー企業のフロントランナーが、ナノキャリア株式会社です。同社独自の最先端技術「ミセル化ナノ粒子」は、「ナノ医療」と呼ばれる領域で先駆的な存在。2008年の東証マザーズ上場以来、この技術を応用した抗がん剤治療にはベンチャーキャピタルだけでなく一般投資家も注目。未来の医療イノベーションへの期待値の高さがうかがわれます。

投資家から熱い期待を寄せられる創薬ベンチャー

 ナノキャリア株式会社は、日本発のナノテクノロジー技術「ミセル化ナノ粒子」を用いて、ターゲット細胞に薬剤を直接届ける「ドラッグ・デリバリー・システム(DDS)製剤」を開発するバイオベンチャー企業です。会社設立は1996年。1999年10月に東葛テクノプラザに本社と研究所を開設。国内ベンチャーキャピタルから最初の約2億円の資金を調達し、2000年から研究開発を本格始動させました。

「私たちの主要なターゲットが、がんです。がんの治療法の1つに抗がん剤治療がありますが、副作用が強いだけでなく、5人に1人程度しか効果が表れないことが問題となっています。私たちのコア技術であるミセル化ナノ粒子は、この2つの問題を解決できる画期的な技術です」

ナノキャリア株式会社 代表取締役社長 CEO
松山哲人さん

抗がん剤の副作用を抑え、有効性を高める「ミセル化ナノ粒子」

 ミセル化ナノ粒子は、東京大学の片岡一則名誉教授と東京女子医科大学の岡野光夫名誉教授が発明した技術です。粒子は水に溶けやすい外核(PEG)と、水に溶けにくい内核(ポリアミノ酸)の二重構造となっていて、内核のポリアミノ酸に抗がん剤など、さまざまな物質をくっ付けて、安全に大量に運ぶことができます。

ミセル化ナノ粒子は平均20〜100ナノメートルとごく小さい

がんは栄養を吸収するため、血管を造設する。この血管は構造が粗く、150〜300ナノメートルの隙間がある。抗がん剤を包んだミセル化ナノ粒子はこの隙間を通り抜け(左の図)、がん細胞に到達して薬剤を放出する(右の図)
https://www.nanocarrier.co.jp/wp/wp-content/themes/nanocarrier/movie/movie_01.mp4

 従来の抗がん剤治療では、抗がん剤が体内を巡る間にがん細胞も健康な細胞も見境なく攻撃するため、嘔吐や脱毛といった強い副作用が出てしまい、治療を中断せざるを得なくなります。一方、ミセル化ナノ粒子は目的の場所、つまり、がん組織で薬剤を放出するようにプログラムされているので、正常細胞へのダメージを減らすことで副作用を抑えつつ、より多くの抗がん剤をがん細胞に集中させて抗がん剤の効果を高めることができます。

1 2 3 4

次へ