日本発の最先端ナノ技術で世界の医療を変える! 患者・株主の期待に応えるために邁進

海外パートナーとのコラボを2本目の柱に

 ナノキャリアは自社技術の研究開発と並行し、日本の患者のQOLに貢献すべく、国内外のパートナー企業から導入した新しいパイプライン(開発品目)の拡充にも取り組んでいます。その中で実用化に最も近いのが、イスラエルのVBL社が開発した遺伝子治療薬「VB-111」です。この薬は卵巣がん患者に対するフェーズ1・2の臨床試験で、投薬治療開始からの生存日数を351日から808日まで延伸することが確認されています。

 現在(2020年8月)、VBL社がアメリカで実施している最終段階(フェーズ3)の臨床試験は、400人の卵巣がん患者が対象。ナノキャリアはその一部を日本で実施するべく、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)と相談しながら準備を進めています。この試験が国際共同第3相臨床試験となれば、国内での開発期間が大幅に短縮でき、日本でも速やかに承認されるからです。

「日本の卵巣がんの罹患者数は年間1万人。死亡者数は年間5000人に上ります。婦人科の先生方からは、有効な薬があれば少しでも早く使いたいとご要望をいただいています。このような声に応え、病気で苦しむ患者さんに一刻も早く薬を届けることが私たちの最も重要なミッションです」

ナノキャリアがパートナー企業から導入した3つのパイプライン(開発品目)の現状。VBL-111と中耳炎用の抗菌薬ENT103は最終段階(ph3)の臨床試験を実施中。不妊治療PRP療法をサポートするActi-PRPは日本での販売が始まっている(c)2019 NanoCarrier Co., Ltd. All Rights Reserved.