日本発の最先端ナノ技術で世界の医療を変える! 患者・株主の期待に応えるために邁進

街とともに歩んできたバイオベンチャー

 東葛テクノプラザがオープンしたのが1998(平成10)年11月。ナノキャリアはその翌年10月に入居し、研究開発を拡大してきました。つくばエクスプレスが開通していなかった当時、研究員の多くはJR柏駅から国立がん研究センター東病院行きのバスで通勤。道路は常に渋滞し、東葛テクノプラザまで朝は30分、夕方は1時間もかかりました。

「自然が豊かなところだな、というのが柏の葉の第一印象です。天高く飛ぶヒバリの声が聞こえたし、キジを見たという話も聞きました。ここ数年は住宅がどんどん建って、ショッピングモールやTSUTAYAができて、急速に便利な街になりましたね」

 事業の拡大に伴い、ナノキャリアは2004年に東葛テクノプラザから、開設されたばかりの東大柏ベンチャープラザに移転。2014年には東大柏ベンチャープラザを“卒業”し、柏市若柴に研究所を併設した本社ビルを新設しました。

「東葛テクノプラザが創業して間もない頃はウェットラボではなかったので、相談しながら研究環境を徐々に整えていただきました。オープンイノベーションフォーラムなどの際には多種多様な会社と出会えて、いい刺激になります。共同で何らかのプロジェクトを行おうと、話を進めている企業もあります」

ナノキャリアの研究室

2014年に新設したナノキャリア本社ビル

3万人以上の個人株主がナノキャリアを応援

 日本のバイオベンチャー企業数は、1994社。そのうち、上場企業は58社と、わずか3%程度です(一般財団法人バイオインダストリー協会調べ/2019年3月8日)。柏の葉スマートシティ発のバイオベンチャーとして上場を果たしたのはナノキャリアが初めて。

「ナノキャリアには3万6000名以上の株主さまがいて、そのうち8割近くが個人株主さまです(2020年3月31日現在)。株主数については、老舗製薬会社にも引けをとりません。個人株主さまの多くは、私たちのビジネスがうまくいけば社会貢献にもなると、長期にわたって株を保有し続けてくださっています。そうした期待にお応えするためにも、私たちの技術や医薬品を1日も早く実用化したいです」

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