食品の検査分析ソリューションを武器に、クライアントに貢献する

「当社が食品検査にDNA解析を導入した当時は、他にそうしたことをやっているところもなかったので、食品のDNA解析に関してはパイオニアだと思います。その後、アレルギー検査など関連する分野に手を広げました。さらに現在は、その流れの延長線上でB to Bを中心に、お客さまの製品の付加価値を高めるお手伝いをしています」

 アレルゲンフリーやグルテンフリーをうたえることは、クライアント企業にとって製品の付加価値を高めることにつながります。また、コスト面でDNA解析に二の足を踏んでいる企業にとって、比較的手が届きやすい価格で導入できるとなればさらにメリットは大きくなります。

 今、顧客の多くが、検査の委託先を選定する際にISO認定を取得していることを条件にしているといいます。ビジョンバイオは、製品検査や分析・測定などを行う試験所及び計測機器の校正業務を行う校正機関に対する要求事項であるISO/IEC17025を、2011年1月に遺伝子組み換え検査で取得済みです。

お米鑑定団®︎。米の品種の確認や他品種混入の有無を判別したり、不明品種を特定するための検査試薬キット。簡単な操作で品種の鑑定が可能です

検査キットの使い方を教えるセミナーも開催

 同社のクライアントは、食品メーカーだけではなく、食品卸会社、農作物生産者など、累計で6000にもなります。化粧品メーカーなどから声を掛けられることもあります。

 浜野さんは話を続けます。

「当社は異物の検査も行っていますので、そういう関連で化粧品メーカーからお問い合わせをいただくこともあります。異物に関しても、検査する担当者の技量に左右されるところが大きいので、そのお手伝いをするために簡便な判定試薬のキットを作って販売しています」

 ビジョンバイオには食品検査、異物検査、自然環境分析などを行うサービス部門のほかに、プロダクト部門があります。クライアントが品質管理を行う際に自主検査によってコストを下げられる、検査キットを製造販売しているのが、この部門です。

異物混入の簡易検査キット「異物鑑定団®︎」。食品、工業製品、化成品などから発見された異物について、大まかな分類と加熱状態を簡単に判別できる試薬のセットです