MAGAZINE
柏の葉には街の形を変えられる可能性がある。
人が集まってきて議論する中で、
夢が広がり、良い循環が生まれる
水素サプライチェーンの確立を柏の葉で
今村さん「現在はドローンの開発をしております。ドローンだけではなく、今、ちょうど柏の葉IoTビジネス共創ラボというようなところで、IoTも含めて柏の葉をいろいろな実験の場にしていこうという活動もしています。
ドローンにおける自動運行のレベル4というのがあるのですが、その日本初というところですね。人が多いところでの目視外飛行というのがレベル4ですが、その社会実装を、ここ柏の葉で1番目にしていきたいなと、考えております。
長時間ドローンを飛ばすことが重要になってきていますが、実は5分とか10分くらいしか飛べないんですね。物流といっても2キロぐらいの荷物を積んで5分行って、5分で帰ってくるというのでは、物流といえないということになります。
水素燃料を使えば、既に2時間を超えて飛べるドローンを作ることができ、今回、柏の葉で年明けすぐですけど、水素燃料ドローンを使った実証実験をしたり、あるいは陸上のモビリティ、こうしたものも水素電池を使ってやっていきたいと思っています。
まずは実証実験からですが、一番重要なのは、実は水素。水素といってもサプライチェーンがない。自動車の場合は、水素ステーションというものがありますが、「どうするのよ、夢ばっかり描いて」ということになると思います。まさに水素サプライチェーンの確立を柏の葉でやっていって、柏の葉モデルを日本全国に展開していく。いろいろな会社と実はそうした話をしつつあります。そういう実験を来年から始めていく形になります」
太陽光発電の重要なタイミングはこれから
李さん「太陽光パネル1枚ごとのデータを大量に集めることができ、データの高度利用にも価値があるということに気付きまして、今は技術革新とDXを用いて、100年続く太陽光発電場の実現にチャレンジしています。
FIT(固定価格買取制度)が終わり、太陽光発電は終息するという見方もあるでしょうが、本当の重要なタイミングはまさにこれからではないかと思っています。
まださまざまな解決可能な課題が残っています。例えば、事業性の部分に関して、ずっと20年間安定的に発電できるのかという点について、当然ながら課題が出てきます。環境に関しては、大量廃棄の問題とか、今までの太陽光発電というのは、あくまでも投資家が利用するものにすぎなかった。昨年、千葉で大停電がありましたが、もっと緊急電源として地元で広く使えないのか、といった問題もあります。
私たちは、デジタル技術、AI、IoTのソリューションを導入して、新しい性能保全のデジタルトランスフォーメーションを提供しています。3つのステップを導入します。一つ目は性能評価です。現場に行かず、監視設備も要らずに、売電データを用いて、発電場がきちんと働いているかどうかの監視を行います。次に、必要に応じて、独自のIoTとAI技術を用いて、太陽光発電の性能をパネル1枚単位で把握します。最後にその結果を入手して、シミュレーターを用いて、発電場再生の工事を行います」