食品の検査分析ソリューションを武器に、クライアントに貢献する

 検査キットの販売にあたっては、単に製品を販売するだけではなく、キットの使い方を教えるセミナーや、セミナーを修了した人に対してある程度の技術があることを証明するための、テストなども行っています。浜野さんはセミナー開催の背景を、打ち明けてくれます。

「やはり化粧品や食品関係の方ですと、専門的な試薬を扱うことに尻込みされる方も多くいらっしゃいます。使っていただくためにもっと間口を広げたいということで、セミナーやテストを行っています」

検査技能の習得や習熟度の確認・証明を目的とした「異物鑑定団 技術セミナー」なども開催しています

顧客の声を大事にして開発していきたい

 ビジョンバイオは九州に本社がありますが、売上構成を考えると関東圏のクライアントの割合が多いそうです。それらの企業と、より密な関係を築くために関東に拠点を設けたいと、同社は考えていました。DNA解析を中心にずっとやってきたので、その技術をさらに磨き上げたいという希望もありました。さらに、将来を見据えてDNAの1本軸ではなく、もっと新しい技術を取り入れたいと考えていました。そのときに見つけたのが、東大柏ベンチャープラザだったと、浜野さんは説明してくれます。

「商品を開発する上で、お客さまの声は非常に重要です。実際、お客さまの要望を元に開発し、好評をいただいているものもあります。プロダクト部門に関しては、今はまだサービス部門の売上げには及びません。しかし、サービス部門で培ったノウハウをお客さまに還元し、より使いやすい製品として販売するための開発を行っています。それがまさに東大柏ベンチャープラザに拠点を置いている理由です」

浜野さんは顧客の数が多い関東圏に拠点を置くことで、顧客の声を反映した、より使いやすい製品を開発したいと考えています

 柏の葉には、千葉大学環境健康フィールド科学センターや、東京大学大気海洋研究所があるので、そうしたところと交流が進むと、新しい技術の開発につながるのではないかと浜野さんは期待しています。

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