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データの利活用が導く都市と暮らしの変容
深く広いデータ利活用が描き出す都市の未来像
豊田さん「建築家、デザイナーとして、僕はそこで生活する人の満足度まで含めてデザインすることが重要だと考えています。ですから、データプラットフォームが存在することで、住民のみなさんの満足度や楽しさとデータ利活用をどうつなげていくのか。そこに興味がありますね」
柴崎さん「データプラットフォームの中に、住民のみなさんに『あなたのデータはこう使われて、街がこんなによくなった』とオープンに示す仕組みがあったらよいですね。それによって住民一人一人が街づくりや管理に参加しているという意識が生まれますから」
吉崎さん「住民のみなさんに、データプラットフォームについてご理解いただき、そのメリットを実感していただくのが一番大切なのですね。そのためには、例えばインターネット上で告知するだけでなく、この仕組みにどんな可能性や使い道があるかについて、住民や事業者のみなさんとディスカッションしていきたいと考えています」
クロストークの終盤には、それぞれが柏の葉スマートシティに期待すること、この街で実現したいことを語り合いました。
柴崎さん「スマートシティと呼ばれる街はいくつかありますが、その中で柏の葉の特徴は、街づくりを生業とする企業によってドライブされていることだと思います。多くのスマートシティは実証実験的な要素が強く、技術開発が最優先にされがちです。しかし柏の葉は実証実験の場でありつつも、あくまでここに住む人、働く人の目線で街づくりが行われている。データプラットフォームなどの最先端技術が実装されれば、住民や事業者が受益者になれるとともに、街の価値が向上する。この点が非常に魅力的ですね」
豊田さん「これだけ大規模な実証実験の場があり、すでに住民や多様な業態の人が実験に参加し始めているというのがすばらしいですね。データプラットフォームにしてもコモングラウンドにしても、大勢が参加して実証実験を始めなければデータも取れないし、ノウハウも蓄積できませんから。その意味で、柏の葉スマートシティが世界に先駆けた存在になる可能性は十分にあるでしょう」
3人は「まず、柏の葉でコモングラウンドを作ろう!」と意気投合。柏の葉スマートシティという新しい街で、また新しいチャレンジが始まるかもしれません。