選択肢を増やすことでストレスを軽減、
モビリティエコシステムで暮らしを豊かに

画面左からディスカッションの司会進行を務めた医療ジャーナリスト/キャスターの森まどかさん、SWAT Mobility Japan株式会社 代表取締役 末廣将志さん、株式会社EXx 取締役 杉原裕斗さん

株式会社EXx 取締役 杉原裕斗氏
慶應義塾大学総合政策学部卒業。大学在学中にプロバスケットボールリーグ「B.LEAGUE」や一般社団法人ユニサカの立ち上げに従事した後、大学の同級生である中根泰希氏とマイクロモビリティ事業を運営する株式会社マイメリットを創業。2020年8月に株式会社EXxに全株式を売却し、取締役として参画。

SWAT Mobility Japan株式会社 代表取締役 末廣将志氏
明治大学経営学部卒業。シンガポール国立南洋理工大学、バルセロナのIESE Business Schoolで学ぶ。豊田通商、アクセンチュアを経て、2019年11月にSWAT Mobility日本法人代表取締役に就任。

柏の葉のMaaSに関わるモビリティ事業を展開する2人の事業者が参加し、「EMPOWER LIFE.」をテーマに議論が進んだ柏の葉ディスカッション。多数のプレーヤーが連携してエコシステムを作り上げるオープンイノベーションの重要性とともに、ストレスを伴う移動を楽しい時間に変えることが、MaaS推進には欠かせないことが確認されました。

独自のアルゴリズムで課題を解決する

 サンポさんのクロストーク1を受け、柏の葉のMaaSに関わるモビリティ事業を展開している2人の事業者の方に参加していただき、「EMPOWER LIFE.」をテーマに柏の葉ディスカッションが行われました。司会進行は、引き続き医療ジャーナリスト/キャスターの森まどかさんが担当。まず、SWAT Mobility Japanの末廣将志さんが事業内容について説明しました。

末廣さん「SWAT Mobilityはシンガポール発のスタートアップ企業です。2015年にシンガポールで創業し、核となる技術は、ダイナミック・ルーティング・アルゴリズム。2点間の単純なルーティングではなく、n対nを結ぶような複雑なルーティングを瞬時に行うことができます。そのアルゴリズムを配車アプリに実装し、日本でも最近話題になっている、AIオンデマンドバスや、ライドシェアリングサービス、そういうものを簡単に実装できるようなサービスを展開しています」

SWATのアプリケーション。乗客用、ドライバー用、管理者用のアプリを用意。乗客用アプリは乗客が携帯電話にダウンロードして、簡単に配車予約ができるものです。ドライバーアプリは、配車予約状況がドライバーに飛んでいって、ドライバーはこれを見ながらオンデマンド移動ができます。管理者アプリでは移動の一覧や、サービスの設定が簡単にできます

末廣さん「いろいろなプロダクトを持っていることが強みですが、通勤の場合は毎日決まった場所から、決まった時間に乗る、定期券のようなサービスがあります。その対極にあるのが、オンデマンド移動です。タクシーのように、バスに乗る。そういったサービスです。シドニーではオンデマンドバスを運行しています。

 日本でやっているケースでは、ジュピターテレコムの営業社員が使うライドシェアサービスがあります。営業の訪問先に相乗りしながら行っています。タイ、フィリピン、インドネシアでは、トヨタ・モビリティ基金、トヨタ自動車と協力して、医療従事者向けのオンデマンド送迎サービスを、コロナパンデミック状況下限定でやっています」

SWATは顧客のニーズに沿ったさまざまなプロダクトをラインアップしている

森さん(司会) 「末廣さんは、先ほどのサンポさんのお話を聞かれて、どんな感想を持ちましたか?」

末廣さん「われわれのサービスと親和性が高いというか、一緒にやっていくパートナーのような関係にあるのではないかと思いました。MaaSアプリは、中に入っているサービスが肝心だと思っています。そのサービスの1つとして、われわれのオンデマンドバスが入っていくと、MaaSアプリ全体としての価値も上がるような気がするので、いろいろと展開をさせていただきたいと思います」

森さん(司会)「サンポさん、末廣さんのお話を伺って、どんな感想を持ちましたか?」

サンポさん「いろいろな意味で、これが世界が待っていたことだと思います。MaaSのサービスというのは簡単ではありませんし、どこか数社で全てのことを網羅するのは無理です。特にダイナミック・ルーティング・アルゴリズムは素晴らしいと思います。モビリティの世界が探していた解ではないでしょうか」

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