選択肢を増やすことでストレスを軽減、
モビリティエコシステムで暮らしを豊かに

モノやサービスが移動するところで事業を展開

森さん(司会)「非常に前向きなコメントを頂きました。続いて、株式会社EXxの杉原裕斗さん、プレゼンテーションをお願いします」

杉原さん「私たちの会社はミッションとして「MOBILITY FOR POSSIBILITY」という言葉を掲げています。モビリティを使って街の中でどういうことができるのかを企画するところから、モビリティを作って、サービスを作って、それを分析するところまで一気通貫でいろいろな企業の方々や自治体の方々と連携して実施させていただいています。

 一例として、これはバスハウスという事業ですが、マイクロバスの中を改造して、宿泊ができるような形で、主にグランピング施設だったり、観光資源があるような自治体と連携させていただき、移動しながら宿泊するという体験を提供しています」

EXxが実施しているバスハウス事業では、移動しながら宿泊する体験を提供している

杉原さん「今回は電動キックボードの話がメインになるかと思います。「不動産から可動産へ」ということを社内ではキーワードに掲げていて、今は基本的に不動産を通じてものを売る、体験を提供するということが行われています。その体験や、売るということも移動するのではないかと考えています。そこを押さえられるような事業を今後も提供していきたい、まさに柏の葉でやっていきたいと思っています」

電動キックボードを使ったシェアリング事業も実施している

森さん(司会)「移動宿泊というのも新しいですね。そして、今回はキックボード。今後、私たちの日常の移動手段になり得ると、可能性を感じていらっしゃる」

杉原さん「アメリカやヨーロッパでは既に街中をビュンビュン走っています。日本では規制があってなかなかそのまま走れるということにはなっていませんが、日本には交通課題がありますので、それを解決する一つの手段として考えているところです」

森さん(司会)「先ほどのサンポさんのお話を一緒に聞いて、どんな感想を持ちましたか」

杉原さん「われわれの場合はモノだったり、サービスが移動するというところで事業を展開していきたいと思っているので、人とモノが移動したときにどういうふうに街の中でマッチングしていくのか、将来的に街の中でどう快適な暮らしが実現できるかについて、ぜひお話をしたいと思います」

森さん(司会)「サンポさんは杉原さんのお話を聞いて、どんな感想を持ちましたか」

サンポさん「バスのアイデアは良いと思いました。それから、ヨーロッパでは今、コロナの状況で公共交通機関に乗るよりは、eスクーターとか、自転車に乗る人が増えています。ですから、これは必要だと思います」

時間を取り戻すことができ、ストレスが減る

森さん(司会)「それではここからは幾つかのテーマに沿ったパネルトークに移っていきたいと思います。最初はモビリティが変える街の風景とそこでの生活とはどのようなものなのかということで、皆さんと話を進めていきたいと思います」

末廣さん「私たちが狙っているのは、タクシーとバスの中間のようなサービスです。タクシーやバスに何らかの使いづらさや不満を感じていた人に、タクシーよりは安くて、バスよりは柔軟性があるものを提供することによって、より活発に移動していただけるのではと思っています」

杉原さん「電動キックボードの話でいうと、移動の総量は絶対に増えると思っています。そもそも乗るのが楽しい。乗りやすく、降りやすい。走っていて、ちょっと気になるところがあれば、すぐに降りることができる。移動の量や移動中の気付きや交流みたいなところは、確実に増えるでしょうね」

森さん(司会)「末廣さんのサービスですと、交通弱者といわれることもある高齢者の方たちの行動範囲も広がると思います。街の風景はどう変わりますか?」

末廣さん「高齢者は免許を返納すると、自家用車に頼っていた地方都市では移動手段が無くなってしまいます。家の中に引きこもりがちになってしまう。そういうところに、オンデマンド移動、新しい手段を提供することで、引き続き、街に出られるようになる、そういう声が聞けるようなサービスを提供したいと思います」

森さん(司会)「サンポさんにも伺いたいと思います。モビリティが変える柏の葉の街の風景、暮らしは、どんなものになることを期待していますか」

サンポさん「次の10年の中で、オンデマンドのバス、eスクーターというのはまだまだ導入部で、さまざまな手法での移動が可能になると思います。柏の葉では皆さんが幸せである、どこにでも行きたい所に行ける、十分な選択肢があって、楽しく移動ができる、ということだと思います。パネリストの方々のお話を聞いていて実感できますし、三井不動産という大手企業が取り組んでいるということも、その可能性をもっと大きく広げてくれると思います。

 まとめますと、より良い生活の質、既存のモビリティに感じている面倒臭さが無くなり、ストレスが無くなり、自分に時間を戻すことができるということです。移動することも、楽しみの一つに変換できると思います」

森さん(司会)「選択肢が増えるということで自由を得られるというのは大きいですね。今のサンポさんのお話を聞いていてお感じになったことはありますか」

杉原さん「自分に時間を戻せるということは、まさにその通りだと思っています。多くの人が利用する電車などはダイヤがあって、そのダイヤに合わせて人が動きます。電動キックボードもそうですし、オンデマンドのバスもそうですが、本来、暮らしが豊かであるためにはいろいろな選択肢がベースにあるべきだと思います」

森さん(司会)「縛られるストレスから解放される良さがありますね。楽しさが追加されるというお話がありました。末廣さん、楽しさはどうですか」

末廣さん「移動にストレスが無くなることが、楽しさにつながると思います。杉原さんがおっしゃったように、今は何かに合わせて乗りに行くということですが、それが自分の予定に合わせて向こうから来てくれるのであれば、ストレスは無いと思います」